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| 仰天ニュース |
2007年07月18日
昭和40年代、大阪大学医学部をめぐり未曾有の不正入試事件が起きた。
この事件発覚のきっかけは、高級外車の中である会社社長が惨殺された事だった。この男、大阪刑務所で服役していたときに病院で印刷工の男と知り合う。これは、仮出所目前だった男にとって願ってもない出会いだった。当時、刑務所では「絶対に外部に漏れる事がない」という理由から大学入試の試験問題の印刷を請け負っていた。
男の狙いは、その試験問題を使って一旗あげる事にあったのである。
男は出所後も印刷工に執拗に働きかけ、ついに2人は新たな“事業”に乗り出す。
事業のからくりはこうだった。印刷工が模範囚で看守の信頼があつかったために、検身場でのチェックを受けないという事、直接入試問題にふれる製本作業に従事していた事を利用し刷り上がった試験問題を入手。運動の時間には自ら進んで運動器具の管理を担当して、ボールの中に試験問題を埋め込む。そして、誤ったふりをしてボールを刑務所の塀の向こうに投げ飛ばす。
そこには、あらかじめ隠語を使った手紙のやり取りで“作戦”の日時を打ち合わせていた男が待ち構え、替えのボールを投げ込んで怪しまれないようにしていたのだ。
ここからが、先に出所していた男の仕事。男は高級クラブなどを利用して子供を大阪大学医学部に入学させたい親に接触。取引が成立すると、試験の2週間前に受験生をホテルに呼び出し入試問題を渡す。その後は、一切の外との連絡を絶たせ合格まで導いたのだった。
次の年には、印刷工だった男が仮出所したため別の人間を使って新たな作戦を開始。図書夫という作業についていた男や手紙を郵送する人間を通して試験問題を入手。その翌年は、いよいよ内部に協力者がいなくなったため、“脱獄”ならぬ“入獄”で入試問題を盗みに入り、受験生にばらまいていた。
こうして、男たちは現在の貨幣価値で億単位の富を手にし、元締めの男はちょっと名の知れた会社社長にまでのしあがった。
ところが、この会社社長が何者かの手によって突然高級外車の中で惨殺される。当然“殺人”について捜査が進められたのだが、捜査の過程で愛人宅から入試問題を発見。殺人事件が突如、医学部不正入試事件に発展し、一連の犯行が次々と明らかになったのである。
関係者はみな逮捕されたが、会社社長にまでなった男がなぜ殺されたのかは今でも謎のままである。
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