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釈放された連続鬼 獄中で考えた執念の作戦
2007年08月08日
1973年、オーストリア・ザルツブルグの湖で1人の女性が無残な姿で発見された。身につけていたストッキングで足と手を縛られ、絞殺された模様。この事件を担当したシェンナー刑事は、被害者の姿から何か嫌な予感がしていた。
被害者は娼婦であったため、そこから捜査は始められる。犯人の手がかりがつかめないまま3年が過ぎるたとき、別の傷害容疑で1人の男が捕まった。彼の名はジャック・ウンターヴェーガー、22歳。ジャックは連れ出した娼婦に襲い掛かったが、たまたま通りかかった人が暴行の様子を発見。娼婦はその場を逃げる事ができたのだ。
彼女の証言からシェンナー刑事は3年前の事件と重なるものを感じていた。
ジャックは冷静に犯行を語り、その様子からは殺しをするようには見えなかった。そして、傷害容疑で3年の刑を受け刑務所に入ることになる。
一方、シェンナー刑事は引き続き湖の事件の犯人を追っていたが捜査は手詰まりとなっていた。そしてさらに2年がたった時、隣の国ドイツで娼婦が殺された。遺体は絞殺で、身につけていた下着で手足を縛られている…事件の報告はシェンナー刑事の元にも入った。
シェンナー刑事はこの事件の犯行手口から湖の事件とつながるものを感じた。同時に、あのジャックが刑期が短縮されたため既に出所していることが判明。すぐさまジャックの取調べが始まった。すると、ジャックはドイツの事件についてあっさり犯行を認め、当時オーストリアで最も重い刑の無期懲役が言い渡された。ただし、ジャックは最後まで湖の事件については関与を認めなかった。
そして、16年がたちシェンナー刑事も退職していたころ、なんとジャックが異例の出所を果たした。読み書きも出来なかったジャックだが、獄中で本と出会ってからというもの毎日時間がある限り本を読み続けた。彼の執念は10年以上変わることなくその頃には図書館の本をすべて読み上げ人並み以上に文章が書けるようになっていたのである。そして、ジャックは1冊の自伝書を書上げた。その本は高い評価を受け、彼を出所させようとする動きが起こり、1990年、刑期なかばで異例の出所をするのであった。
引退したシェンナー刑事はその事を知りふたたび何か嫌な予感がしていた。一方、ジャックの人気はとどまるところを知らなかった。テレビの討論番組出演、舞台演出、著書の出版、さらには自分のヌード写真集をだすなどジャックは一躍“時の人”となっていた。そんな中、また事件は起こる…
チェコのプラハで娼婦が絞殺されたのをきっかけに8ヶ月の間に5人が殺された。いずれも被害者は娼婦で、自分の下着で首を絞められての絞殺。シェンナー元刑事はその手口からジャックを疑った。しかし、「ジャックは更正した」との評判から警察にも彼を疑う者はほとんどいなかった。
そこへ、アメリカFBIからオーストリア警察に連絡が入る。ロサンゼルスで娼婦が3人殺され、その手口がヨーロッパで起きた連続殺人事件に似ているというのだ。さらに、あのジャックが同じ時期にロスにいた事も判明。ようやくジャックが指名手配されるが、すでに彼は姿を隠した後だった。そんな中、オーストリア・ウィーンのラジオ局に電話が入った。ジャックからである。彼は涙ながらに自分の無実を訴えるが、その時思わず自分のいる場所をしゃべってしまう。1992年、ジャックはマイアミでFBIにより逮捕され強制送還された。1994年に始まった裁判では自信満々のジャックであったが、この年から導入されたDNA鑑定によりジャックの犯行は確定され再び終身刑の判決が出た。これを受け、湖の事件は立証されなかったにせよ、一連の連続殺人事件は終わりを遂げたかに思われたのだが…
しかし、ジャックは最後まで国中の注目を受ける事となる。判決の翌日、ジャックの独房を見に行った看守の目には、なんと横たわるジャックの姿。ゴムひもで首を絞めての自殺であった。今まで殺してきた被害者と同じ姿で最後を遂げていたのであった。
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