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| 政治・経済 |
2007年07月14日
領収書など保険料を支払った直接の証拠がない場合の年金給付の是非を判断する総務省の「年金記録確認中央第三者委員会」（梶谷剛委員長）の基本部会は十三日、社会保険庁に記録訂正の再審査を請求していた三十六件の案件を審査し、十五件について給付を認めることを決めた。社保庁は十七日に菅義偉総務相から審査結果の提示を受け、十五件の年金支給を認める見通し。残りの二十一件は「間接資料として提出された家計簿の信ぴょう性を確認する必要がある」などの理由で継続審査となった。
中央第三者委の判断が示されるのは初めて。本格的な審査開始から四日間のスピード決定で、先行的モデル事例として十七日から全国の地方第三者委で審査申し立ての受け付けが始まる多くの個別案件にも影響を与えそうだ。
記者会見した梶谷委員長によると、給付認定した十五件の内訳は、国民年金が十四件、厚生年金は一件。国民年金のうち二件は、社保庁の年金記録審査チームが再審査請求を受けて調査し、記録訂正を再却下していた案件だった。
このうちの一件は、夫婦で国民年金に加入し、妻の三カ月分だけ保険料納付の記録がなく、領収書もないケースだったが、（１）夫は未納期間がない（２）納付年月日を確認できる資料から夫婦一緒に保険料を納めていたと考えられる（３）そのほかの事情を総合的に判断－などから給付を認めた。
社保庁には、六月一日までに二百八十四件が再審査請求されている。今回の審査対象はこのうち、本人が中央第三者委の審査を受けることに同意した分で、国民年金二十二件、厚生年金十四件の計三十六件。
厚生年金の審査をする衛藤博啓厚生年金部会長は、再審査を求められている厚生年金百六十七件について、「九月末までに審査を終えたい」との意向を示した。
第三者委は加入者や受給者が直接の証拠を持っていなくても「明らかに不合理ではなく、一応確からしい」と判断できれば、給付を認める基本方針を九日に策定。十日から第三者委の「厚生年金」「国民年金」の二つの作業部会で審査していた。
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