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テロ特措法延長「修正」焦点 民主、政府の対応待ち
2007年08月06日
秋の臨時国会で最大の焦点となるテロ対策特別措置法の延長をめぐって5日、与野党幹部はテレビ番組でそれぞれの主張を繰り広げた。双方とも協議に含みを持たせたものの、具体的な中身は見えないまま。日本の国際的信用が問われるテーマだが、民主党は政権に揺さぶりをかけ、状況によっては安倍晋三首相の退陣・衆院解散に追い込む構えをちらつかせる。11月1日の期限切れをにらんだ与野党の神経戦が始まった。
自民党町村派会長の町村信孝前外相は5日のテレビ朝日の番組で、「(民主党との)法案修正(協議)とか米国との話し合いとかいろいろやらないといけない」と述べ、テロ特措法を延長するための改正案で、特措法の内容自体を修正する可能性に言及。その上で「いろいろとやった結果、否決となれば仕方がない」と述べた。
テロ特措法は、アフガニスタンでの対テロ作戦を展開する多国籍軍艦船に対し、海上自衛隊が洋上給油するための根拠法。民主党は過去3回の延長時、国会の事前承認や国会に対する活動報告の強化を求め、いずれも反対してきた。小沢一郎代表は7月31日、「(これまで)反対したのに、今度賛成するはずがない」と明言している。
政府・与党は、改正案の審議時間を確保するため、秋の臨時国会を今月末にも召集することを検討している。ただ、法案が衆院を通過しても、参院では民主党が議長や議院運営委員長ポストを握り、採決を引き延ばすことができる。法案送付後60日以内に議決されなければ否決とみなし、衆院で3分の2以上の賛成を得て再可決、成立させられるが、それまで待てばテロ特措法は期限切れになってしまう。
このため、民主党との協議の成否が鍵を握る。民主党の菅直人代表代行は5日、フジテレビの「報道2001」で、「テロ特措法案について一切、支援すべきでないという姿勢で反対したわけではない。イラク(への自衛隊派遣)とは少し違う」と述べ、与野党協議に含みを残した。
しかし、政府内からは民主党が求めていた国会の事前承認について、「国会がチェック機能を果たす観点から、1年ごとの延長という仕切りを設けている。今の制度で十分」(小池百合子防衛相)と否定的な意見が出ている。民主党も小沢氏の反対表明を受け、「事前承認だけではだめだ」(岡田克也元代表)と攻勢を強め、具体的な一致点は見出せていない。
菅氏は5日、「政府や自民党がどうするかだ。何も変わらなければ、私たちも(反対の立場を)変えようがない」と述べ、当面は具体的な条件を示さず、法案を提出する側である政府与党の対応を待つ構えを示した。藤井裕久元代表代行は別の民放テレビ番組で、小沢氏が週内に予定されるシーファー駐日米大使との会談でテロ特措法延長を求められても、「ノーと言うと思う」との見通しを示した。
与野党協議に向け、どちらがどのようなカードを切るのか。民主党内にも「(延長反対で)米国との関係をまずくするのは、政権担当能力が問われる」(前原誠司元代表)といった意見がある。対応次第では世論の風向きも変わるだけに、与野党ともぎりぎりまで腹の探り合いを続けることになりそうだ。
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