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民主西岡議員のクールビズ中止案総スカン
2007年08月10日
 与野党勢力が逆転した参議院で、議院運営委員長に就任した民主党の西岡武夫氏(71)が9日、国会で実施している夏の軽装「クールビズ」を中止し、次の国会からネクタイ着用を義務付けることを提案した。“VS政府与党”の党戦略かと思いきや、与党どころか民主党からも慎重意見が続出。参院では半世紀以上、「本会議場は、上着着用でもノーネクタイOK」の慣例が続いており、西岡氏の突然の提案に波紋が広がっている。

 「参観の子供たちが制服を着ている中、大人がノーネクタイで議案を審議するのはいかがなものか」。西岡氏は9日の議院運営委員会理事会で、ノーネクタイに異論を唱えた。臨時国会は10日閉会するが、次の国会から、本会議場や委員会室でのネクタイの着用を義務づけ、クールビズを中止する考えを示した。

 西岡氏は「10日にも決めたい」と意欲をみせたが、各党の理事には寝耳に水。自民党の理事は「(国会内の)冷房を弱めている(28度設定)のにネクタイ着用はいかがなものか」と指摘、公明党も「まとまるかどうか分からない」と困惑。西岡氏の所属する民主党の理事も「参院の慣例にかかわる問題で、時間がかかる」と慎重な対応を求めた。

 参議院では、半世紀以上「ノーネクタイOK」が認められてきた。参院での議事運営や規律を定めた「参議院先例録」によると、51年8月10日に、「議場では必ず上着着用」だが「ネクタイは外してもいい」という申し合わせが確認された。クールビズは3年目になるが、参院は5月22日の議院運営委員会で、9月30日までの「クールビズOK」を申し合わせており、西岡氏の提案はこれから外れる。

 参院選の躍進で参院第1党になった民主党は、自民党が握ってきた議運委員長も手に入れただけに、クールビズ嫌いで知られる小沢一郎代表(65)の戦略ともとれる。西岡氏も「(中止は)内閣への意見になる」と対決姿勢を示したが、民主党の若手議員は「クールビズは国民にも浸透している。参院の冷房温度を下げることになれば、民主党は本当に環境問題を考えているのかということになりかねない」と反発。「あの年代の議員は品位を重んじる。単にノーネクタイに違和感があるのだろう」(国会関係者)との指摘もある。

 各党からは「全会一致で決めてきたこと」と、意見が続出。新委員長の提案は勇み足に終わる可能性が高く実現は困難な見通しだ。


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