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2007年09月01日
厚生労働省九州厚生局の松嶋賢前局長（５９）が、大阪府内の社会福祉法人「枚方療育園」の前理事長から乗用車や現金を受け取っていた問題で、松嶋前局長は三十一日、同省の事情聴取に対し、前理事長から自宅のリフォーム費用として約千五百万円を妻名義で借用していた事実などを明らかにしながらも、親類の付き合いの中で提供を受けたとして前理事長や法人への便宜供与を否定した。事情聴取の報告を受けた舛添要一厚労相は同日夕、報道陣に対し「本人は昔からの親類だと言っているが、業者と役所の癒着は許せない。国民の納得のいく形で厳正な措置を取りたい」と述べた。
聴取は東京都内で午後二時から約三時間半行われた。精神的な動揺が激しく、聴取開始に時間がかかった。松嶋前局長は「国民の皆さまの不信を招くこととなり、深くおわびします」「厳正な措置に従います」と述べたという。
松嶋前局長の説明によると、前理事長から一九八一年に自宅を買い替えた時に資金援助してもらったほか、二〇〇三年に自宅をリフォームした際に妻名義で約千五百万円を借用した。
このほか、いずれも中古車で九七年に外国産車（キャデラック）、二〇〇〇年に国産車（セルシオ）、〇五年に国産車（同）の計三台を譲り受けた。年に一回会った時に十万円程度の小遣いをもらうこともあった。また、松嶋前局長は前理事長の経営する法人に、娘を就職させたことを認め、「親族としてお願いした。職務には関係ない」と説明した。
自分の妻と前理事長の妻がいとこ同士で、七六年に旧厚生省に出向する前から家族ぐるみで付き合っていた。
利害関係者から金品を受け取ることが禁止されている国家公務員倫理法は知っていたが、職務上知り合った間柄ではない私的な関係なので、禁止行為の例外にあたると認識していた。
ただ、「倫理法の解釈について感覚が誤っていたのかな」とも漏らした。
また補助金の支出に関して前理事長や法人に便宜を図ったことは一度もない、と述べたという。
松嶋前局長は千五百万円の借用について「まだ返済していない。退職金で返したい」と話しており、同省は借用書の確認などを含め、来週にも再度聴取する方針。必要に応じて前理事長にも説明を求める。
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