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福田氏“方向転換”必死の人気取り…自民党総裁選
2007年09月18日
 自民党総裁選(23日投開票)に出馬した福田康夫元官房長官(71)は17日、麻生太郎幹事長(66)とともに、大阪市や高松市内で今総裁選初となる地方での街頭演説を行った。党内では圧倒的な支持を得ながら、街頭演説などで麻生氏に完敗している福田氏は“路線”を転換。演説では聴衆いじりや地元ネタを交えるなど、人気取りに必死だ。

 党内から圧倒的な支持を受けながら、立会演説会や街頭演説では、麻生氏のはっきりした物言いに、リードを許してきた福田氏。この日の街頭演説では、表情を変化させ、聴衆に語りかけるように訴えた。高松市での演説では「すごいですね、デパートの奥のほうまでいっぱいでございます」と、聴衆いじりをしてみせた。

 大阪での演説でも冒頭、「私がサラリーマンになった時、実は大阪に住んでいました。そして、毎日、電車でこの難波駅を通って会社に通っていました」と“地元ネタ”を披露。きまじめに政策も訴えたが、聴衆の心をつかもうとする必死な姿も目についた。

 準備不足−。福田氏陣営ではこんな言葉がささやかれている。16日の立会演説会で福田氏は、抽象的な言葉を乱発し、言い間違いが目立った。福田氏支持の笹川堯氏も「麻生氏は場数を踏んでいる」と、アピール力に関して「完敗」を認めた。渋谷での街頭演説でも、圧倒的な支持を得た麻生氏に対し、淡々とした福田氏への反応はいまひとつ。自ら「僕のつまらない話」と表現してしまう始末だった。

 だが、この日は一転して、聴衆の“人気取り”も重視。拉致問題について「(5年前の)きょう、この日に、小泉総理が平壌へ参りました。拉致問題の解決のためです」と小泉前首相に触れながら、「私の手で、この問題を解決したいと思っています」と、これまでより強い表現で意欲をみせた。

 ただ、麻生氏は高松市で「やっぱり高松といえば讃岐、讃岐といえば〜?」と耳に手を当て聴衆に返事を求め、「そう、うどんだよね」と答えさせるパフォーマンスで、あらためて“キャラ”の強さを見せつけた。帰京後、「麻生さんは人気があるねえ」とひょうひょうと振り返った福田氏。この日ちょっぴりのぞかせた人気を意識した転換も、大本命の余裕の表れだったのかもしれない。


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