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2007年09月01日
大阪市で開かれている世界陸上選手権で一日、男子五十キロ競歩で入賞を争っていた山崎勇喜選手（長谷川体育施設）がゴール近くに迫った長居陸上競技場付近で係員に誤って場内に誘導されてそのままゴール、コース離脱により途中棄権となった。山崎選手はこの時点で自動的に北京五輪代表に決まる入賞圏内の８位を争っており、運営側の大失態となった。大会組織委員会は競技終了後に記者会見し、ミスを認めて謝罪、審判員と周回記録員の連携ミスだったと説明した。審判員が最終周だと間違って山崎選手を場内に呼び込んだとしている。
「優勝争いする イメージが…」 山崎選手
日本人トップで入賞すれば、北京五輪代表が決まる大事なレースだったが、「優勝争いをするイメージをふくらませてきた」という山崎選手は、安全策の入賞狙いではなく、果敢に優勝争いに加わった。真夏の暑さが残る長居陸上競技場。三十五キロすぎから極端にペースダウン。
悲劇は競技場手前で起こった。周回コースの残り一周を残し、入賞争いに食らいついていた山崎選手の前に、誘導係の競技役員が立ち、競技場内の方向へ誘導する。
もはや限界を超えていた山崎選手に、周回数を判断する力など残っていなかった。
まだ事態が把握できないスタンドから、大歓声を浴びながら、最後の力を振り絞り、“５番目”でゴールラインへたどり着いた。電光掲示板に一瞬、表示された「５位」。それは幻となった。
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