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朝青龍厳しい処分に動揺、精神科医へ
2007年08月03日
 日本相撲協会から2場所出場停止や謹慎などの処分を受けた横綱朝青龍(26=高砂)が、来週から神経科医の元で治療を受けることになった。1日の通告時から、予想以上の厳しい処分にショックを受けていたが、一夜明けた2日になっても、精神安定剤を服用するほど不安定な状態に陥っていることが分かった。特別な理由がないと外出も許可されない事実上の「軟禁状態」でさらに悪化する可能性は高く、見かねた高砂親方(51=元大関朝潮)が心の治療を強く勧めた。

 「仮病疑惑」で厳罰を下された朝青龍の動揺は、想像をはるかに超えていた。この日の午後、朝青龍のマネジャーから高砂親方に1本の電話が入った。「横綱が引退すると言っています。親方、今どちらですか?」。同親方が「協会にいるから来るように伝えて」と言付けると、しばらくしたら、今度は朝青龍から電話がかかってきた。「先ほどはすみません。これからも頑張ります」。

 師匠への引退相談は、友人や後援者とは重みが違う。師匠が協会に引退届を提出すれば、2度と土俵には戻れない。承知の上なのか、それとも衝動的にとってしまった行動なのか。高砂親方は「精神的に不安定な状態に陥っている。至急、神経科医を捜して来週から治療を受けさせる」と、なかば強制的に心の治療を受けさせることを明言した。

 朝青龍は、処分を受ける前日から、精神的に不安定な状態に陥っていた。夜、急に泣きだしたり、泣きやんだと思えば、急に怒り出すなど、正常な状態ではなかった。そこで、予想以上の重い処分が下されたことで、さらに状態が悪化した。前夜も感情の起伏が激しく、母国の両親にも電話し、引退の相談をした直後に、また「現役で頑張る」と電話を入れている。

 自分の惨めな姿を見せたくなかったのか、既に夫人と2人の子供はモンゴルに帰した。この日も東京・墨田区の自宅にこもり、付け人に差し入れを持ってこさせ、マネジャーといとことともに、いとこが作ったモンゴル料理を食べたという。部屋を訪れた知人によると「テレビに映っている自分の姿を見て、黙って泣いていた」と話した。

 今日3日は、主治医の平石貴久医師が、相撲協会で高砂親方にケガの状況などを説明する予定だ。高砂親方は「ひじと腰より、精神面が心配だな。平石先生にもし知り合いの精神科医がいらっしゃれば、紹介してもらいたいと思っている。やはり土俵に上がれないことが一番のショックだったようだ」と話した。

 腰の疲労骨折と左ひじじん帯損傷の診断書を提出し、夏巡業休場を申し出ながら、母国でサッカーに興じた軽率な行動で4カ月30%の減俸、2場所出場停止、謹慎処分を受けた。北の湖理事長(元横綱)は「しっかり反省してもらいたい」と、改心を期待しているが、今は冷静に自らを省みることができる精神状態ではない。復帰への道は険しい。


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