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反則技連発!大毅が世界戦汚した
2007年10月12日
 亀田3兄弟の次兄・大毅(18=協栄)が前代未聞の反則劇の末に初黒星を喫した。11日、東京・有明コロシアムで行われたWBC世界フライ級王者・内藤大助(33=宮田)への世界初挑戦で、敗色濃厚の終盤に相手を抱えて投げるなどのレスリング行為を連発。最終回は減点3を受ける醜態をさらし、大差で判定負けした。日本人選手との初対戦で経験不足を露呈するとともに、数々の日本人名王者を生んできたフライ級の世界戦史上に汚点を残した。

 もはやボクシングではなかった。KO以外、逆転がなかった最終12回。大毅は序盤から高く上げた両ガードを解き、打ち合いに出たが、全く当たらない。いら立ち、内藤にタックルを見舞って押し倒すと、右のパンチを王者の頭部に見舞った。減点1が科せられると逆上し、今度は内藤の左脇に頭を入れ、プロレスのスープレックスのように持ち上げて投げた。レフェリーは「故意」と判断して減点2を追加。本能を封じ、拳ひとつで優劣を競うボクシングの美学はもろくも崩壊した。

 ヘッドロックにサミング(目つぶし)、すくい投げにもろ手刈りとプロレス技のオンパレード。試合中に内藤を12回も押し倒した。日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長が「1回に減点3?記憶にない」と指摘したほどの暴走。試合後、ボディーガードに囲まれた大毅は控室へ直行し、10分ほど引きこもった後に姿を見せたが、取材を拒否して会場を去った。「負けたら切腹と言っていたが?」と試合前の公約について問われると、長兄・興毅が質問者を無言でギロリとにらんだ。観客から発せられた「大毅、腹を切れ」のヤジにも腕組みしたまま。陣営は一言も発せず、父・史郎トレーナーが関係者を通じて「この悔しさをバネに頑張るしかない。大毅は一からの出直しや」とコメントを残しただけだった。

 3兄弟の中でボクシングに懸ける思いが一番乏しく、史郎トレーナーに怒られ、泣きながら練習してきた。「ボクシングは仕事。楽しくなんかない」と言いながら、兄に続いてつかんだ世界のチャンス。ガードを固めては接近し、左フックを振るったが、単調で勝ち目はなかった。初の日本人対決で、日本史上最年少世界王者の記録がかかった注目の一戦。しかも、白井義男やファイティング原田ら数々の日本人王者を生んできた伝統のフライ級の世界戦で、醜態をさらしてしまった。

 亀田家2本目の世界ベルトの夢は、もろくも砕け散った。協栄ジムの金平会長は「内藤と12回戦える18歳は日本中を探してもいない」とかばったが、プロ11戦目の初黒星はあまりにも問題を残した。今後の去就は不明だが、もしボクシングを続けるのなら、リング内で自らの拳を使って汚名を返上するしかない。

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